切ない
分けあって今は妻と子ども二人とは離れ離れ。
久々に一人の時間もいいもんだと思っていた。
実際に好きな音楽を聴いたり、
本を自由に読むことができるようになっている。
週末は幼稚園に通う必要がないので、家に帰ってきた。
まー、にぎやか。うるさい。
と思ったが、
いいもんだな、しみじみしてしまった。
またいなくなってしまうのかと思うと、
ご飯を床にこぼすことが可愛いらしく思えた。
兄弟けんかも、
下の階の人に迷惑をかけてしまうからドタドタ走るなっと注意することも、
途端に可愛らしく思えてきた。
というか、
切ない気持ちすら起きてくる。
むしろ、
その一つ一つに切なさを感じた。
この年になってと思うのだが、
湧き上がる気持ちは抑えられない。
俺も可愛いもんだ。
切ないとは何か。
デジタル大辞泉では、
1 悲しさや恋しさで、胸がしめつけられるようである。やりきれない。やるせない。「―・い思い」
2 からだが苦しい。
「ああー・い、厭(いや)だと云うのに本田さんが無理にお酒を飲まして」〈二葉亭・浮雲〉
3 身動きがとれない。どうしようもない。
となっている。
2,3番には当然該当しない。
あるとしたら1番だ。
事情がどうであれ、
会えないそのことを考えると胸が締め付けられるということなんだろう。
不思議だなぁ、と思う。
楽しい時間なのに。
嬉しく、幸せを感じている時間なのに。